ベルリンフィル、デジタルコンサートホールでワセオケを鑑賞
いや~よかったよかった。すばらしい演奏会でした。ビバ、ワセオケ!
先日のエントリで、二男がいやがるからツアー同行はあり得ないとか書いたけど、これだけカミングアウトしてたら同行してるのと同じだ(笑)。まあ、応援団てことで大目に見ておくれ。
さて、わが家は家族がそれぞれノートパソコンを持ち、無線LANで電波を飛ばしているのですが、部屋によって受信しにくい場所もあるので、今日は一番よく電波の届く長男の部屋に座卓を移動し、パソコン2台でデジタルコンサートホールにアクセス。一台は映像専用でミュートにし、もう一台にPC用のolasonicのスピーカーをつなぎました。
これ、そんなに高くないけど十分いい音が出ます。
夕飯は、つまみながら食べられるようなものがいいなあと思って手巻き寿司に。
あと、ナゲットとか、ブロッコリーとか、プチトマトとか並べたら、とてもお祭りっぽくなった(笑)。
コンサートというよりは芝居見物のノリ?
6時半、開場の時間から中継が始まります。すんごい画質! ハイビジョンなのかな。へたなTVよりぜんぜんきれい。わたしmlbTVを契約してパソコンでメジャーの試合を見てるけど(ほら、また野球の話だ)、画像ではデジタルコンサートホールに完全に軍配があがりました。(そもそも比べるのがおかしい。)
さらに、集まってくる聴衆の足音やら、さざめきやら、ドイツ語の会話やら。すばらしい臨場感。
そして、ちょいちょいはさまれるベルリンフィルのコマーシャルフィルム。
「サイモン・ラトルかっこいーな」なんて思ったら、ほら、あなたももうベルリンフィルの世界へいざなわれているのですよ(笑)。
いつの間にかアンケートに答えて無料クーポンももらってたし。うん、こりゃちょっと聴いてみるか、みたいな。
CF、効果抜群。
7時ぴったりではなく、すこし過ぎてから団員入場。ベルリンフィルのホールって、ほんとうにステージをぐるっと客席が囲んでいるんですね。舞台奥に置いてある和太鼓のすぐとなりにも聴衆がいたりして、なんか驚く。

(開演前のホールの様子。客席がステージをとりまいています。よく見ると和太鼓は客席のなかに設置されてるんですね。)
プログラム1番は『アルプス交響曲』。
わたしは音楽に関してはど素人なので細かいコメントはできません。
でも去年、定演でもなんどか聴いたけれどやっぱり今日がいちばんよかったなあ。弾き込んで吹き込んで、曲全体が体になじんだのが伝わってきました。全体が有機的に結合して、緊張感がみなぎっていたというか。
しかも映像で各楽器の演奏者がアップになるので、ひとりひとりの技術の高さにもあらためて感心。
高校の吹奏楽コンクールとかでたくさん演奏を聴くと、管楽器でいい音を鳴らすのがどんなに大変なことかよくわかるのですが、ワセオケはほんとうに当たり前のように美しい音を聴かせてくれますからね。すごいことです。
50分のアルペンが短く感じました。もいっかい聴きたい。
あ、聴けるんだ、3月20日。そうか、もうすぐ帰ってきちゃうんだね。
休憩をはさんで、トイレに行ったり、またベルリンフィルにいざなわれたりしつつ、後半へ。
まずは『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』
これは以前〈N響アワー〉でわりとくわしく曲の解説をやってくれたことがあって、おかげでいつも「なるほど」と思いながら聴けるのです。
ティルは、ユング心理学で言うところの、典型的な「トリックスター(いたずら者)」なんですよね。
いろいろいたずらをして世間をさわがせるんだけど、そのせいで、ときには人々の本音をひきだしたり、隠された真実をあばきだしたりして、もてはやされることもある。でもそれゆえにえらい人たちの怒りを買って、へたをすると命まで落としてしまう――これがトリックスター。
ティルはまさにそれでつかまって裁判にかけられ、死刑になってしまうわけです。
その重々しい裁判官の音と、ティルの弁明のいかにも言い訳がましい音のかけあいがおもしろい。
そしてすべてが終わったあとに「♪――という、お話があったとさ」という枠物語の構成になっているところがまたいいのです。生々しいまま終わるのではなくて、なんかワンクッション置いているところが。今日もとても楽しく聴かせてもらいました。
(あ、そういえば〈N響アワー〉終わってしまうそうですね。さびしいなあ。)
そして次がいよいよ『和太鼓と管弦楽のための協奏曲』。
これ、やはりメインイベントでしたねえ。
なんといっても、初めから舞台奥に設置してある和太鼓の存在感がすごい。
だから3人の奏者が袴(はかま)すがたで現れたとき、「ついにキター!」という気持ちにどうしてもなるのですよ。
ちなみに、大太鼓の奏者はワセオケ現役のパーカッショニストで、しかもプロだとうかがいました。すごいな。ほかのおふたりもOB、OGなのですね。
この曲は今日初めて聴いたけど、すばらしかった!
どこがどう、とくわしくは分析できないけれど、西洋と東洋が対峙したり、交錯したりしながら最後たがいに混じり合って大きな流れになっていくのがよかったし、何よりもやはり太鼓の音って人間の原初的な魂を揺さぶるのだなあと再確認しました。
あと、和太鼓も拍子木もだけど、和の音って独特。かん高い、澄み切った音がすごくきれいでした。
大太鼓はお腹にひびくしね。(最初に大太鼓が鳴ったとき、びっくりして耳ふさいでるお客さんがいました(笑))
うん、ほんとにかっこよかったです。(←言語貧困)
アンコールは3曲。
『荒城の月』:すばらしかった。オーボエが泣かせる~。長男が語っていたのですが、滝廉太郎ってドイツに留学していたんですね。ものすごく胸にしみる演奏でした。
つぎにまた太鼓が加わって『八木節』。ええねー。祭だねー! これはほんと、華やかで楽しかった。
その祝祭的な雰囲気をそのままひきついで、最後は『ベルリンの風』。
わたしはタイトル知らなくて調べたのですが、ベルリンの人たちにとってはご当地ソングなんですね。
あっというまに手拍子が巻きおこり、盛りあがり最高潮に。
和太鼓の横らへんに、小さな子を連れた家族がいたのですが、その子たちもずっと楽しそうに手拍子してました。
いいな。ああやって小さいときからクラシックを聴いて育つんだな。
最後は満場の拍手喝采、そしてスタンディングオベーション。
ほんとうにすばらしかったです。ありがとう、ワセオケ。
でもまだ終わりじゃないですね。13日にオーバーハウゼン、15日にウィースバーデン。
それがどんな場所なのか、何も知らないで書いてますが、最後までがんばって。
おうちに帰りつくまでが遠足ですよ。(――先生、バナナはおやつに入りますか?)
あと少しがんばって、風邪ひかないように、いい演奏をしてください。
あっ、それから Last, but not least---
今日はわたしの友人たちも何人かこのコンサートを聴いてくれました。
ウエブのコンサートのすごいところは、すぐに感想をシェアできるところですね。
遠くにいる人たちと、同じコンサートを聴いて、感動を分かちあえる。
まさしくそれがデジタルコンサートホールなのだ。(ほら、あなたもベルリンフィルの世界へ――)
いえ、ほんとに。
3月11日という、特別な位置づけがなされた1日の、貴重な夕食どきをいっしょに過ごしてくれてありがとう。
同じ体験を分かちあえたのがうれしくて、感謝の気持ちでいっぱいです。
ほんとうにいいひとときでした。ダンケシェン。
【追記】
きのうのコンサートはアーカイブになって、同じリンクから10日間ほど公開されるようです。これを書いている今の時点ではまだ編集中とのこと。公開期間は3月25日まで。見逃した方はぜひ。
でもってアーカイブを見ていたら、きのうの夜の部のベルリンフィルのコンサートがなんとチャイコフスキーの6番『悲愴』だったんじゃありませんか。これは見ないと! 今の〆切が終わったら真っ先に見よう。――ってなわけで、しっかりいざなわれたわたくしでした。
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